「職場の経営学」研究会

概要

静岡県立大学・国保研究室(KOKULABO)リサーチプロジェクトが主宰する研究会です。企業と個人のよりよい関係を実現する職場や組織のあり方について、具体的な経営課題を抱える実務家(人事部・経営層を想定)と、最新の研究知見を持つ研究者が交流し、チームとして協働することで解決の糸口を見つけることを目的としています。ゲストスピーカーによる話題提供と、参加者のディスカッションで進めてゆきます。

※本研究は、国保・吉川・Wuによる「育休トランジション支援研究」(2017-2019年)でうまれた企業様ネットワークと、小野桂之介先生の「ミッション経営研究会」の流れを汲んでいます。2020年のピックアップイシューは、「ダイバーシティと多元的人事制度」です。


目的(ミッション)

・企業と人材の交点である「職場」で発生する、人と組織の課題に対する分析と提案を行う
・最新の研究知見を持つ研究者と、具体的な実践の場を持つ実務家が、経営現場の課題(ISSUE)解決という共通目的をフックに、多様な立場を活かして協働する


● 設立背景

2017年から2019年に渡って実施した育休トランジション支援研究では、最終的に19社もの企業から協力を得ることができましたが、その中で企業現場における女性管理職育成という課題への問題意識を持っている企業が多いということが分かりました。この企業横断的ネットワークを活かしつつ、より広く企業と人材の交点である「職場」で発生する人と組織の課題解決のための知見を社会に広げるために、この職場で活きる経営学の知見を「職場の経営学」と名付け、分析と提案を行うための場として 2020 年 1 月に当研究会を立ち上げました。「経営学」という言葉は企業の戦略を想起させ、経営者ではない者には不要な学問であると感じる実務家は少なくありません。しかし経営学、特に組織管理論や組織行動論はもっと身近なものであり、働く全ての人にとって有益な学問領域であるということを知らしめるために、「職場」という呼称にしています。


● メンバー

国保祥子
吉川克彦(大学院大学至善館 副学長 兼 准教授) https://yoshikawa-k.org/


● 活動内容

・定例研究会(ゲストによる話題提供と、参加者によるディスカッション)
・協働プロジェクトが組成された場合は定期相談会も実施します
・研究会から生まれた具体的なプロジェクトの研究/実践報告会
・課題に応じたワークショップのトライアル


● 参加方法

国保研究室まで「研究会参加希望」というタイトルで、連絡先とご所属をメールにてお知らせ下さい。またはPeatixの「職場の経営学」研究会をフォローしていただくと、イベントが公開された際に案内が届きますので、是非ご登録ください。


● これまでの開催実績

第1回 働き方の人事管理とその効果(2020/1/24)
ゲストスピーカー: 余合淳先生(名古屋市立大学 准教授)

「制度を作ったけれど効果がでない問題」について。人事管理制度が、どのような従業員の働き方に繋がるのかについて、研究知見を解説いただきます。育児・介護・自身の治療等のケア責任を担いながら働くには、働き方改革や人事・評価制度を整えることが必須ですが、せっかく作った制度が活用されないのはなぜか?どういった制度が好ましい行動を引き出すのか?等、現場の悩みと最新の研究成果についてディスカッションしました。


第2回 ”個人の意欲”の視点から考えるダイバーシティ施策(2020/3/4)
ゲストスピーカー: 吉川克彦 (大学院大学至善館 准教授)

多様な人材が活躍する職場の実現に向けては、「一人一人の個人が意欲を持って仕事やキャリア開発に取り組む」よう促すことが一つの鍵になると考えられます。例として、ワーキングマザーを題材に、組織行動論の観点から、個人の意欲を高めるために必要な取り組みについて、最新の研究成果をご紹介しつつディスカッションしました。


第3回 withコロナ時代に必要な職場管理(2020/06/19)
ゲストスピーカー: 青木耕平氏(株式会社クラシコム 代表取締役)

株式会社クラシコムは、北欧雑貨をはじめ日常使いの道具などを販売するECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営、創業1年目から社員全員18時退社と事業成長を両立しています。同社の「職場の経営」の特徴である「貢献ベースの信頼関係に基づいた管理」「アジャイル経営と専任マネージャーによるチーム管理」、そしてその鍵を握る中間管理職はどうあるべきかを中心に、人事部はどう動くべきか、職場の社員はどう動くべきか、を経営者の青木さんと経営学者の国保とが対談しました。


第4回 多様性のある職場でのコミュニケーション ー職場に活かす社会心理学ー(2020/11/13)
ゲストスピーカー:正木 郁太郎氏(東京大学大学院 人文社会系研究科 研究員)

性別や働き方、最近であればリモート or オフィスといった働く場所など、職場における多様性は高まるばかりです。多様性はミスコミュニケーションの原因となり、組織のパフォーマンスを下げる場合もあります。こうした多様性の高い職場で、わたしたちがパフォーマンスを発揮するためには、どうすればよいのでしょうか。今回の研究会では、日本で特に顕著である性別ダイバーシティの高い職場の管理について、「社会心理学」という観点から考えます。多様性の高い職場でパフォーマンスをあげやすくするためには業務や組織をどのように管理すればいいのか、最新の研究をご紹介いただきます。またデータから見えてきた現象を元に、明日からできる職場での改善策について、皆さんとディスカッションしてみたいと思います。なお今回より、人事実践科学会議(CHRPS)との共同開催となりました。